腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
最終更新日: 2026年4月27日
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
右下腹部痛(回盲部病変のため)、下痢、腹部膨満感。
全身症状:微熱、体重減少、寝汗、全身倦怠感。
進行すると腸管の狭窄による腸閉塞症状(イレウス)をきたす。
大腸内視鏡検査:回盲部を中心とする輪状潰瘍、萎縮性瘢痕、変形。
生検組織診断:『乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫』。抗酸菌染色(Ziehl-Neelsen染色)や結核菌PCR検査での菌の証明。
血液検査:IGRA(T-SPOT、クォンティフェロン)陽性。
胸部X線:活動性または陳旧性肺結核の有無の確認。
内科的治療(第一選択):肺結核と同様に、イソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP)、ピラジナミド(PZA)、エタンブトール(EB)などを用いた抗結核薬の多剤併用療法(標準で6〜9ヶ月間)。
外科的治療:腸管の高度な狭窄や穿孔、大量出血がある場合は手術(腸管切除)を行う。
病態
結核菌を嚥下することによる経腸感染、あるいは血行性・リンパ行性に腸管(リンパ組織が豊富な回盲部)に感染する。
試験・臨床での重要ポイント
『クローン病との鑑別』が超頻出。
腸結核は「腸管の輪切り方向」に潰瘍ができる『輪状潰瘍(帯状潰瘍)』や、萎縮性瘢痕(治癒過程)が特徴。これに対しクローン病は「縦方向」の『縦走潰瘍』や『敷石像』を呈する。
また、腸結核は病変が『連続性』であることが多いが、クローン病は『非連続性(スキップ病変)』である。
覚え方・コツ
「腸結核の潰瘍は『輪(和)をもって尊しとなす』と覚える!回盲部に輪っか状の潰瘍(輪状潰瘍)ができたら結核、縦に裂けたらクローン病。肺結核を一緒に患っていることが多いから、お腹の病気だけど必ず胸部レントゲンをチェックしろ!生検で『乾酪壊死(チーズみたいにドロドロの死骸)』のある肉芽腫が見つかれば確定だ!」
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。