肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
最終更新日: 2026年5月31日
肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
早期:多くは無症状。
進行期:右上腹部痛、体重減少、全身倦怠感。
※腫瘍が肝門部(胆管の根元)に浸潤すると閉塞性黄疸をきたすが、末梢側であれば黄疸は出にくい。
腫瘍マーカー:CA19-9、CEAの上昇。
画像診断(ダイナミックCT/MRI):腫瘍辺縁のリング状濃染と、腫瘍内部の『遅延相における漸増性増強効果(徐々に白く染まる)』。腫瘍末梢側の胆管拡張。
肝生検:組織学的に腺癌であることを確認(HCCとの鑑別が困難な場合に行うことがある)。
外科的治療(唯一の根治法):『肝切除術 + 領域リンパ節郭清』。HCCと異なりリンパ節転移が多いため郭清が必須となる。
化学療法:切除不能または再発例に対して、『ゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GC療法)』などが行われる。
※血流が乏しいため、HCCで有効なTACE(肝動脈化学塞栓療法)は原則無効。
病態
肝臓の細胞ではなく、肝臓の中に張り巡らされた「胆汁の通り道(胆管)」の細胞からガン化する。肝内結石症、原発性硬化性胆管炎(PSC)、膵・胆管合流異常などがリスクファクターとなる。
試験・臨床での重要ポイント
原発性肝癌の圧倒的多数を占める『肝細胞癌(HCC)との鑑別』が超頻出。
①腫瘍マーカー:HCCは「AFP、PIVKA-II」だが、肝内胆管癌は『CEA、CA19-9』が上昇する。
②画像所見(造影CT/MRI):血流が豊富なHCCは「早期濃染・後期washout」を示すが、肝内胆管癌は線維性間質が豊富なため、造影剤がゆっくり染み込む『遅延相での漸増性濃染』を示す。
③転移様式:HCCは血行性(門脈内腫瘍栓など)が多いが、肝内胆管癌は『リンパ行性転移』が多い。
覚え方・コツ
「肝内胆管癌は『肝臓の中にできるけど、中身は胆管のガン』!だから腫瘍マーカーは消化器系のCA19-9やCEAが上がる。硬い線維成分(間質)が多いから、造影剤を入れてもすぐには染まらず、後からジワジワと白く染まる(遅延相濃染)のが肝細胞ガンとの決定的な違いだ!リンパ節に転移しやすいから手術の時はリンパ節も一緒に取る(郭清)!」
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。