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レミエール症候群は、健康な若年者に、咽頭炎などの口腔内感染を契機として、内頸静脈の敗血症性血栓性静脈炎をきたし、肺などの全身臓器へ敗血症性塞栓を飛ばす重篤な感染症である。救急領域の致死的疾患として重要。
先行する激しい咽頭痛・扁桃炎(約1週間前)
高熱、悪寒戦慄、強い全身倦怠感
片側の前頸部痛と腫脹(胸鎖乳突筋の前縁に沿った圧痛)
呼吸器症状(敗血症性肺塞栓による):胸痛、呼吸困難、咳嗽、血痰
その他、関節痛や筋肉痛(菌血症による)
初期評価
咽頭炎後の高熱と頸部痛・呼吸器症状から強く疑う。
検査
頸部〜胸部の『造影CT検査』が確定診断に必須。内頸静脈の血栓と血管壁の造影増強(血栓性静脈炎)を確認し、胸部CTで多発する結節影・空洞影(敗血症性肺塞栓症)を確認する。血液培養(嫌気性ボトルが重要)で原因菌を同定する。
治療方針
原因菌であるF. necrophorum(嫌気性菌)などに強い感受性のある抗菌薬(アンピシリン・スルバクタム、またはペニシリン+メトロニダゾールなど)の長期間(通常4〜6週間)の静脈内投与が必須である。血栓の進展防止や塞栓症予防のために抗凝固療法を併用することがある。大きな膿瘍や保存的治療に抵抗する内頸静脈血栓に対しては、外科的ドレナージや静脈結紮術を行うこともある。
病態
原因菌の多くは口腔内の常在嫌気性菌である『Fusobacterium necrophorum(フゾバクテリウム・ネクロフォルム)』である。扁桃炎などの咽頭感染が深頸部(側咽頭隙)に波及し、隣接する内頸静脈の壁に炎症と血栓(敗血症性血栓)を形成する。この血栓がちぎれて血流に乗って肺に飛ぶと、多発性の敗血症性肺塞栓症・肺膿瘍を形成する。
試験・臨床での重要ポイント
救急領域での「見逃してはならない疾患(忘れられた病)」として有名。「数日前にひどい喉の痛み(咽頭炎)」があった健康な若者が、「首の痛みと腫れ(内頸静脈血栓)」を伴う高熱を出し、「呼吸困難や血痰、胸痛(肺の敗血症性塞栓)」で救急搬送されるエピソードが典型。造影CTで内頸静脈の血栓と肺の多発空洞病変を確認する。
覚え方・コツ
「レミエール症候群は、ただの喉の風邪(咽頭炎)が悪化して、首の静脈にバイキンの塊(血栓)を作る怖い病気!そのバイキン血栓が肺に飛んで穴を開ける(敗血症性肺塞栓)。喉の痛み→首の腫れ→血痰・胸痛のコンボを見たら疑え!原因はフゾバクテリウム(嫌気性菌)。」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。