医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
壊死性筋膜炎は、皮下組織の深部にある「筋膜」に細菌が感染し、組織を急速に腐らせながら(壊死)広がる致死的な軟部組織感染症。いわゆる「人食いバクテリア」による感染症であり、一刻も早い外科的デブリドマンが救命の鍵となる。
見た目に不釣り合いな強烈な疼痛(初期の最大の特徴)。
急速に拡大する発赤、腫脹。進行すると皮膚の紫斑、血疱、黒色壊死。
握雪感(ガス産生菌による皮下気腫)。
重篤な全身症状:高熱、頻脈、意識障害、血圧低下(敗血症性ショック)。
身体所見:急速な進行、激痛、皮膚の壊死変化、握雪感。
画像診断(CT・MRI):筋膜に沿った炎症、浮腫、および『皮下ガス』の存在(ガスがあれば確定診断に近い)。
血液検査:白血球の異常(著増または減少)、CRP著増、CK上昇、腎機能障害。これらを用いたLRINECスコア(≧6点で疑い)。
外科的デブリドマン(最優先かつ絶対必須):疑った時点で緊急手術を行い、壊死した皮膚、皮下脂肪、筋膜を広範に切除する。必要に応じて四肢の切断も躊躇しない。
薬物療法:カルバペネム系+クリンダマイシン(毒素産生を抑えるため)などの広域抗菌薬の大量静注。
全身管理:ICUでのショックに対する集中治療。
病態
A群レンサ球菌(劇症型溶血性レンサ球菌感染症)や、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus:肝疾患を持つ人が生の魚介類を食べて感染)、複数菌の混合感染などが原因となる。筋膜に沿って血管が破壊されるため、組織が急速に壊死し、毒素によって敗血症性ショックに至る。
試験・臨床での重要ポイント
『時間単位で猛烈に進行する』ことと、『見た目以上の激しい痛み(pain out of proportion)』が絶対のサイン。
初期は蜂窩織炎と似ているが、皮膚が紫色に変色したり、水疱ができたり、触ると『握雪感(皮下ガスによるパチパチという音)』があれば本疾患を強く疑う。血液データに基づく『LRINEC(ライネック)スコア』が診断の補助となる。
治療は抗菌薬だけでは間に合わず、腐った組織を全て切り取る『緊急の外科的デブリドマン』が「絶対的」な第一選択である。
覚え方・コツ
「壊死性筋膜炎は『人食いバクテリアが筋膜を溶かして進む、致死率MAXの超緊急病』!蜂窩織炎みたいに赤いだけに見えるのに『触ると死ぬほど痛がる』し、数時間で足が黒紫になっていく。皮膚の下でガスがパチパチ鳴ったら手遅れ寸前。薬だけじゃ絶対に助からない!一刻も早く手術室に運んで、腐った肉をメスで全部削ぎ落とせ(デブリドマン)!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
COVID-19は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による急性呼吸器疾患。無症状から重症のARDS(急性呼吸窮迫症候群)まで多彩な経過をたどる。飛沫・エアロゾル感染が主体であり、ワクチンの普及と抗ウイルス薬の開発により致命率は低下したが、依然として高齢者や基礎疾患保有者では重症化リスクが高い。
急性喉頭蓋炎は、気管の入り口のフタである「喉頭蓋」に細菌感染が生じ、急速に腫脹することで気道閉塞をきたす耳鼻咽喉科・小児科領域の致死的救急疾患。気道確保が何よりも優先される。
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染によって引き起こされる性感染症(STI)。「偽装の達人」と呼ばれ、多彩な全身症状を呈する。近年、若年層を中心に感染者数が急増しており、母子感染による「先天梅毒」の予防も重要課題となっている。
蜂窩織炎は、皮膚の深い部分(真皮深層から皮下脂肪組織)に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす疾患。下腿に好発し、患部の境界が不明瞭な「発赤・腫脹・熱感・疼痛」を特徴とする。