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卵巣がんは、卵巣の表層上皮から発生する悪性腫瘍である。初期症状に乏しく、腹水や腹部膨満感を契機に進行期で発見されることが多いため「サイレントキラー」と呼ばれる。CBTや国試では、4つの主要組織型(漿液性、明細胞、粘液性、類内膜)の特徴、腫瘍マーカーCA125、および腫瘍減量術とTC療法が超頻出である。
初期は無症状(サイレントキラー)
腹水貯留に伴う腹部膨満感、体重増加、呼吸困難
腫瘤の増大による骨盤内臓器の圧迫症状(頻尿、便秘、下腹部痛)
胸水貯留(Meigs症候群様)
初期評価
腹部膨満感や超音波検査での卵巣腫瘤の指摘から疑う。
検査
①経腟/経腹超音波・骨盤MRIで、腫瘍の形態を評価する(充実性成分の存在、不規則で厚い隔壁、多房性などが悪性を疑うサイン)。②腫瘍マーカー測定(CA125、CA19-9、CEAなど)。③CTで転移や腹水・胸水・リンパ節腫脹を評価する。※経皮的・経腟的な生検は播種のリスクがあるため原則禁忌である。最終的な確定診断と進行期(I〜IV期)の決定は、「試験開腹(手術進行期分類)」によって行われる。
治療
基本は「手術療法」と「術後化学療法」の組み合わせである。
【手術療法】基本術式(両側付属器切除+単純子宮全摘出+大網切除+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清)に加え、転移病巣を可能な限り切除する『腫瘍減量術(Debulking surgery)』を行うことが予後改善の鍵となる。
【化学療法】術後(Ia期・高分化などを除く)に『TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)』を複数コース行う。再発維持療法として血管新生阻害薬(ベバシズマブ)や、BRCA遺伝子変異陽性例に対するPARP阻害薬(オラパリブなど)が使用される。
病態・分類
排卵による卵巣表層上皮の損傷と修復の繰り返しなどが発癌に関与する。主に以下の4組織型がある。
【漿液性癌】:最多(約50%)。両側性が多く、早期から腹膜播種と大量の腹水をきたす。CA125が著増する。BRCA1/2遺伝子変異との関連が強い。
【明細胞癌】:日本人に多い。子宮内膜症(チョコレート嚢胞)を母地とする。化学療法(抗がん剤)に抵抗性で、静脈血栓塞栓症(VTE)を合併しやすい。
【粘液性癌】:巨大化しやすく多房性。CA19-9やCEAが上昇しやすい。
【類内膜癌】:子宮内膜症を母地とすることがある。子宮体癌(類内膜癌)を合併することがある。
試験での重要ポイント
「中高年女性」の「腹部膨満感(腹水貯留)や頻尿」というエピソードから疑う。組織型ごとの特徴(特に『明細胞癌=子宮内膜症由来・血栓症・抗がん剤効きにくい』)が頻出。腹腔内播種を招くため『術前生検(針刺し)は禁忌』であり、手術時の『開腹(摘出)病理検査で確定診断と進行期を決定する』点が極めて重要。予後は初回の『腫瘍減量術(Debulking surgery)』でいかに残存腫瘍をゼロにするかにかかっている。
覚え方・コツ
「卵巣がん(上皮性)は、見つかった時には腹水パンパンのサイレントキラー!針を刺して細胞を採るのは禁忌(お腹に散らばるから)。漿液性はCA125、明細胞はチョコ嚢胞上がりで血栓注意。治療はとにかく手術で削り取り(腫瘍減量術)、TC療法で叩く!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。