アスピリンはシクロオキシゲナーゼを不可逆的にアセチル化するNSAIDsである。低用量では抗血小板薬として心筋梗塞・脳梗塞の再発予防に用いられる。
バイアスピリン
nsaids
シクロオキシゲナーゼの活性中心にあるセリン残基をアセチル化し、COX-1およびCOX-2を不可逆的に阻害する。高用量ではプロスタグランジン産生を抑えて解熱・鎮痛・抗炎症作用を示す。低用量では門脈循環を通過する際に血小板COX-1を優位に阻害し、トロンボキサンA2産生を抑制する。核を持たない血小板はCOX-1を再合成できないため、抗血小板作用は血小板寿命の約7~10日間持続する。血管内皮細胞はCOXを再合成できるため、低用量ではプロスタサイクリン産生が比較的保たれる。
低用量製剤は心筋梗塞、狭心症、虚血性脳血管障害、冠動脈インターベンション後などの血栓・塞栓形成抑制に用いられる。急性冠症候群では、禁忌がなければ早期に負荷投与を行う。高用量では各種疼痛、発熱、炎症性疾患に使用される。川崎病では急性期に抗炎症目的の用量を用い、解熱後は低用量で冠動脈血栓を予防する。適応と用量により薬理作用が異なる点が重要である。
胃粘膜プロスタグランジン低下と血小板機能抑制により、胃痛、消化性潰瘍、消化管出血を起こす。アスピリン喘息ではロイコトリエン産生が相対的に増え、重篤な気管支攣縮を生じる。腎血流低下による急性腎障害、Na・水貯留、心不全悪化にも注意する。小児のウイルス感染時にはReye症候群との関連がある。過量では耳鳴、難聴、過換気、呼吸性アルカローシスに続き、代謝性アシドーシス、高熱、意識障害が現れる。
抗凝固薬、他の抗血小板薬、SSRI、NSAIDsとの併用で出血リスクが増加する。イブプロフェンをアスピリンより先に服用すると、血小板COX-1への結合を妨げ、低用量アスピリンの抗血小板作用を弱める可能性がある。メトトレキサートの腎排泄を低下させて毒性を増強し、ACE阻害薬、ARB、利尿薬との併用では腎障害を起こしやすい。尿酸排泄促進薬の作用を低下させる場合がある。
消化性潰瘍、出血傾向、重篤な肝・腎・心機能障害、アスピリン喘息またはその既往、本剤に対する過敏症がある患者には投与しない。出産予定日12週以内の妊婦では、胎児動脈管収縮、分娩遷延、出血増加の危険がある。15歳未満の水痘・インフルエンザ患者には、川崎病など特別な適応を除き原則として使用しない。活動性出血や頭蓋内出血時には抗血小板目的でも使用しない。
低用量では血小板COX-1を不可逆的に阻害し、トロンボキサンA2産生を血小板寿命の間抑制する。急性冠症候群、心筋梗塞・脳梗塞の二次予防、川崎病が主要適応である。アスピリン喘息、消化管出血、Reye症候群、妊娠後期の胎児動脈管収縮が頻出する。過量時は耳鳴と混合性酸塩基異常を示す。([Japic Pins][7])
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。