青年・若年成人の咽頭炎を起こし、猩紅熱様発疹を伴うことがあるグラム陽性桿菌である。A群レンサ球菌咽頭炎と類似するが、培養で遅れて出現するβ溶血と菌種同定が鑑別に役立つ。
Arcanobacterium haemolyticum
細菌
多形性のグラム陽性桿菌で、培養時間とともに球菌様にみえることがある。
Arcanobacterium属に属するコリネ型細菌である。
通性嫌気性、非運動性、非芽胞形成性、カタラーゼ陰性の桿菌である。ヒツジ血液寒天培地上で48時間前後から狭いβ溶血が明瞭となる。
主にヒトの咽頭と皮膚。無症候保菌の頻度は高くない。
呼吸器分泌物を介する飛沫・接触伝播が推定される。皮膚感染では創傷から侵入する。
ホスホリパーゼD、ノイラミニダーゼ、溶血性因子が組織障害や発疹形成に関与すると考えられる。
青年・若年成人の急性咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱様発疹を起こす。まれに皮膚軟部組織感染、深部膿瘍、菌血症を生じる。
咽頭ぬぐい液を血液寒天培地で十分な期間培養し、遅れて出現するβ溶血を確認する。カタラーゼ陰性、CAMP阻害反応、MALDI-TOFなどで同定する。A群レンサ球菌迅速検査は陰性となる。
マクロライド系が臨床的に用いられることが多く、ペニシリン系なども感受性を示すが治療失敗例がある。重症例では培養・感受性に基づいて選択する。
咳エチケット、手指衛生、密接接触時の飛沫対策を行う。確立したワクチンはない。
若年者の咽頭炎に猩紅熱様の細かな発疹を伴い、A群レンサ球菌迅速検査が陰性の場合に考える。カタラーゼ陰性のグラム陽性桿菌で、β溶血が培養後半に明瞭となる。ジフテリア菌の偽膜や毒素性全身合併症とは区別する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。