腟・直腸に保菌されるB群レンサ球菌で、新生児敗血症・肺炎・髄膜炎の主要原因となる。妊婦スクリーニングと分娩時抗菌薬予防により、早発型新生児感染症を予防する。
Streptococcus agalactiae
細菌
グラム陽性球菌で、連鎖状に配列する。
Streptococcus属のB群レンサ球菌で、多糖体莢膜の血清型に分類される。
通性嫌気性、カタラーゼ陰性、非運動性、非芽胞形成性。多くの株が狭いβ溶血を示し、Lancefield B群抗原をもつ。CAMP試験陽性が特徴である。
ヒトの消化管、直腸、腟、尿路。妊婦の無症候保菌が新生児感染の主要なリザーバーとなる。
主に分娩時の産道感染により新生児へ伝播する。上行性感染、まれに出生後の水平感染もある。成人では自己保菌部位からの内因性感染が多い。
シアル酸を含む多糖体莢膜が補体活性化と貪食を回避する。β溶血素、C5aペプチダーゼ、接着因子などが侵入と組織障害に関与する。
新生児早発型敗血症・肺炎、遅発型髄膜炎、妊婦の尿路感染症・絨毛膜羊膜炎・産褥感染、糖尿病や高齢者の菌血症、皮膚軟部組織感染症を起こす。
妊婦では妊娠後期に腟・直腸ぬぐい液の選択培地培養または承認された核酸検査を用いる。新生児や成人の感染症では血液、髄液、尿などを培養し、菌種同定と感受性検査を行う。
侵襲性感染症ではペニシリン系を基本とし、髄膜炎や重症例では年齢と感染部位に応じた経験的治療後に感受性結果で調整する。新生児早発型感染予防では適応のある妊婦に分娩時ペニシリン系抗菌薬を投与する。
妊婦保菌スクリーニング、既往児感染や妊娠中GBS菌尿などのリスク評価、適応例への分娩時抗菌薬予防を行う。予定帝王切開で陣痛・破水前の場合など、予防適応は産科指針に従う。
CAMP試験陽性、B群抗原、腟・直腸保菌、新生児敗血症・髄膜炎の組合せが中心である。早発型は出生後早期の敗血症・肺炎、遅発型は髄膜炎が目立つ。母体保菌に対する分娩時抗菌薬投与は早発型予防に有効だが、遅発型を完全には予防しない。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。