莢膜をもつα溶血性のグラム陽性双球菌で、市中肺炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症を起こす。尿中抗原、培養、髄液検査を使い分け、耐性と感染部位を考慮して治療する。
Streptococcus pneumoniae
細菌
グラム陽性のランセット形双球菌として観察され、短い連鎖を形成することもある。
Streptococcus属の莢膜保有菌で、多糖体莢膜抗原により多数の血清型に分類される。
通性嫌気性、カタラーゼ陰性、莢膜保有、非運動性、非芽胞形成性。血液寒天培地でα溶血を示し、オプトヒン感受性、胆汁溶解性を示す。
ヒトの鼻咽頭。乳幼児が高率に保菌し、地域内伝播の重要なリザーバーとなる。
鼻咽頭分泌物を介する飛沫・接触伝播と、自己保菌菌の下気道・中耳・副鼻腔への移行による内因性感染がある。
多糖体莢膜が最重要の抗貪食因子である。ニューモリシン、IgAプロテアーゼ、自己溶解酵素、接着因子が組織障害や定着に関与する。
市中肺炎、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、菌血症、化膿性髄膜炎、まれに感染性心内膜炎や腹膜炎を起こす。無脾症、脾摘後、高齢者、乳幼児、免疫不全者で侵襲性感染症が重症化しやすい。
喀痰Gram染色・培養、血液培養、髄液Gram染色・培養・抗原または核酸検査を行う。成人肺炎では尿中肺炎球菌抗原が補助となるが、保菌の多い小児では解釈に注意する。侵襲性感染では感受性検査が必要である。
肺炎、髄膜炎、中耳炎など感染部位と重症度、地域の耐性状況に応じてβラクタム系を中心に選択する。髄膜炎では耐性肺炎球菌を想定した経験的併用療法を開始し、培養・MIC結果で調整する。
年齢、基礎疾患、免疫状態に応じて国内で推奨される肺炎球菌結合型ワクチンまたは莢膜多糖体ワクチンを接種する。飛沫対策、手指衛生、禁煙、基礎疾患管理も重要である。
莢膜をもつランセット形グラム陽性双球菌、α溶血、オプトヒン感受性、胆汁溶解性が識別点である。無脾症では重症菌血症のリスクが高い。髄膜炎ではペニシリン耐性を考慮した経験的治療が必要となる。莢膜が主要病原因子であり、ワクチンも莢膜血清型を標的とする。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。