コアグラーゼ陰性ブドウ球菌でありながら黄色ブドウ球菌に近い強い病原性を示し、破壊性の感染性心内膜炎や皮膚軟部組織感染を起こす。血液培養からの検出を安易に汚染と判断しない。
Staphylococcus lugdunensis
細菌
グラム陽性球菌でブドウ房状に配列する。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に属するが、組織侵襲性や接着性に関わる複数の病原性因子をもつ。
通性嫌気性、カタラーゼ陽性のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌。スライドコアグラーゼや凝集試験で陽性となることがあり、黄色ブドウ球菌との誤同定に注意する。
ヒトの鼠径部、会陰部、下肢の皮膚など。
主に自己の皮膚常在菌が皮膚損傷、手術創、血管内侵入路などから感染する内因性感染である。
接着因子、細胞外酵素、溶血性因子、バイオフィルム形成能などが関与し、他のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌より侵襲性が高い。
急速に弁破壊をきたす感染性心内膜炎、皮膚膿瘍、蜂窩織炎、骨関節感染症、人工関節感染、血流感染を起こす。
血液、膿、組織などを培養し、MALDI-TOF質量分析法や分子学的方法を含む正確な菌種同定を行う。血液培養陽性では臨床所見を評価し、心エコーで感染性心内膜炎を検索する。
感受性検査に基づき、メチシリン感受性株では抗ブドウ球菌作用をもつβラクタム系を検討する。心内膜炎や人工物感染では早期の外科的介入、感染源制御を含めて治療する。
手指衛生、皮膚消毒、無菌操作、創傷管理、血管内デバイスや人工物の適正管理を行う。確立したワクチンはない。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌でありながら、黄色ブドウ球菌のような破壊性心内膜炎を起こす点が識別点である。血液培養から検出された場合、単なる皮膚汚染と決めつけない。スライド凝集試験が陽性となることがあり、確実な菌種同定が必要である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。