若年女性の単純性膀胱炎を起こす代表的なコアグラーゼ陰性ブドウ球菌で、会陰部や消化管に保菌される。尿培養で検出し、表皮ブドウ球菌との鑑別にはノボビオシン耐性が有用である。
Staphylococcus saprophyticus
細菌
グラム陽性球菌で、ブドウ房状または不規則な集塊を形成する。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に属する細菌で、尿路上皮への接着に関連する因子をもつ。
通性嫌気性、非運動性、非芽胞形成性で、カタラーゼ陽性、コアグラーゼ陰性。ノボビオシン耐性が鑑別上有用である。
ヒトの会陰部、直腸、消化管、泌尿生殖器周辺。若年女性で一過性に保菌されることがある。
多くは自己の会陰部常在菌が尿道から上行する内因性感染であり、通常はヒトからヒトへの接触感染として扱わない。
尿路上皮への接着因子、ウレアーゼ、表面蛋白が尿路定着に関与する。
若年女性の急性単純性膀胱炎が代表的で、まれに腎盂腎炎、尿路結石関連感染、菌血症を起こす。
中間尿を用いた尿定量培養と菌種同定を行う。症状、膿尿、菌数を総合し、コアグラーゼ陰性かつノボビオシン耐性で表皮ブドウ球菌などと鑑別する。
単純性膀胱炎では国内の尿路感染症診療指針、地域の感受性、患者背景に基づいて経口抗菌薬を選択する。上部尿路感染症や菌血症では培養・感受性結果に基づき治療する。
確立したワクチンはない。一般的な尿路感染症予防として十分な水分摂取、排尿を我慢しないこと、不要な尿道カテーテルを避けることが基本となる。
若年女性の性交後膀胱炎、コアグラーゼ陰性、ノボビオシン耐性の組合せが典型である。表皮ブドウ球菌はノボビオシン感受性で人工物感染を起こしやすい点が対比される。尿中からの検出は皮膚汚染の可能性もあるため、症状と膿尿を合わせて判断する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。