Buerger病は、喫煙者の青壮年男性に好発する、四肢末梢(特に下肢)の中〜小動静脈の非化膿性炎症および血栓形成をきたす疾患である。間欠性跛行や安静時痛、重症化すると虚血による潰瘍・壊死をきたす。治療の絶対条件は「禁煙」である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
初期:四肢末梢の冷感、しびれ、蒼白。
進行期:『間欠性跛行(歩くとふくらはぎなどが痛み、休むと治る)』。
重症期:安静時痛、虚血性潰瘍、足趾の壊疽(えそ)。
合併症:表在静脈の炎症(遊走性静脈炎)。
身体所見:足背動脈や後脛骨動脈の拍動消失・減弱。アレンテスト陽性(上肢病変の評価)。
生理検査:ABI(足関節上腕血圧比)の低下(< 0.9)。
画像診断:血管造影やMRAで、末梢動脈の急激な閉塞と『corkscrew様側副血行路』の形成を認める。
絶対的鉄則:『完全禁煙』。これなしにはいかなる治療も無効であり病状が進行する。
内科的治療:末梢循環改善薬(プロスタグランジンE1製剤などの血管拡張薬)、抗血小板薬。
外科的治療:交感神経節ブロック(血管の収縮を解く)。※末梢血管が病変のため、バイパス手術の適応になることはASOに比べて少ない。壊死が進行すれば切断術が必要となる。
病態
原因は不明だが、喫煙と自己免疫的機序の関与が強く疑われている。血管全層に炎症が波及し、血栓が詰まって血流が途絶える。
試験・臨床での重要ポイント
同じように足の血管が詰まるASO(閉塞性動脈硬化症)との鑑別が超頻出。
ASOが「高齢・糖尿病・大血管(腸骨〜大腿動脈)」なのに対し、Buerger病は『20〜40代の青壮年』、『男性』、『重度の喫煙者』、『末梢血管(膝下動脈など)』であることが最大のキーワード。また、静脈炎(皮膚の赤いしこり)である『遊走性静脈炎』を合併しやすい。
画像所見では、血管造影で急に血管が途絶え、細い脇道がらせん状に伸びる『コルク抜き様(corkscrew)側副血行路』が決定的なサイン。
覚え方・コツ
「Buerger病は『タバコを吸いすぎる若い男の足が腐る病気』!お年寄りの動脈硬化(ASO)とは違う。足の先の細い血管に血栓が詰まるから、歩くと痛い(間欠性跛行)。血管のレントゲンで『ワインのコルク抜き(corkscrew)』みたいなクネクネした血管が見えたらコレ!薬や手術の前に、まずは何が何でも『完全禁煙』させろ!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
産褥心筋症は、それまで心疾患の既往がない女性が、妊娠末期から産後(産褥期)数ヶ月の間に突然発症する特発性の心不全。拡張型心筋症(DCM)と同様に左室の拡張と収縮能低下をきたす。母体の生命を脅かす重篤な疾患である。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。