ドブタミンはβ1作用を主体とする合成カテコールアミンで、心拍出量を増加させる強心薬である。急性心不全や心原性ショックで、低心拍出量の改善を目的に静脈内投与する。
ドブトレックス
強心薬
主として心筋のβ1受容体を刺激し、Gs-アデニル酸シクラーゼ系を介してcAMPを増加させる。プロテインキナーゼAによるL型Caチャネルの活性化などを通じて細胞内Ca2+流入を増加させ、心収縮力を高める。β2作用とα1作用も持つが概ね相殺され、心拍出量増加に比べて末梢血管抵抗や心拍数への影響は比較的小さい。
急性心不全、心原性ショック、心臓手術後などの低心拍出量状態に用いる。血圧が保たれているが組織灌流が不十分な患者で有用であり、低血圧が著しい場合はノルアドレナリンなどの昇圧薬を併用する。薬物負荷心エコー検査にも使用される。
頻脈、動悸、血圧上昇または低下、心房細動、心室性不整脈、狭心痛を生じ得る。心筋酸素消費量が増加するため、虚血性心疾患では心筋虚血を悪化させることがある。持続投与では耐性が生じることがあり、心電図、血圧、尿量、末梢灌流を監視する。
β遮断薬は強心作用を減弱させる。ほかのカテコールアミンとの併用では頻脈、不整脈、血圧変動が増加する。ハロゲン化吸入麻酔薬との併用では心室性不整脈に注意する。
肥大型閉塞性心筋症など、心収縮力増強により流出路狭窄が悪化する患者には投与しない。本剤の成分に対する過敏症の既往がある患者にも使用しない。未補正の循環血液量減少では先に輸液などで補正する。
β1作用を主体として心収縮力と心拍出量を増加させる。末梢血管抵抗を強く上げないため、低心拍出量型の急性心不全や心原性ショックで用いる。著明な低血圧には単独では不十分で、ノルアドレナリンを併用することがある。頻脈性不整脈、心筋虚血、肥大型閉塞性心筋症での流出路狭窄悪化が識別点となる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。