ミダゾラムは作用発現が速い短時間作用型ベンゾジアゼピン系薬で、麻酔導入、処置時鎮静、集中治療で用いられる。鎮痛作用はなく、呼吸抑制と前向性健忘に注意する。
ドルミカム
静脈麻酔薬
GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位へ結合し、GABAによるCl−チャネル開口頻度を増加させる。大脳辺縁系、視床、脳幹網様体の神経活動を抑制し、鎮静、催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩、前向性健忘作用を示す。酸性溶液中では水溶性だが、生理的pHでは環構造が閉じて脂溶性が高まり、速やかに中枢へ移行する。主にCYP3A4で代謝され、活性代謝物を生じる。鎮痛作用はないため、疼痛を伴う処置では鎮痛薬を別に投与する。
全身麻酔の導入、麻酔前投薬、内視鏡・カテーテル検査などの処置時鎮静、人工呼吸中の集中治療患者の鎮静、けいれん重積状態などに用いられる。静脈内投与では患者の年齢、全身状態、併用薬に応じて少量ずつ緩徐に投与する。処置時鎮静では、呼びかけへの反応、気道開通、呼吸数、SpO2、血圧を継続的に監視する。投与後は前向性健忘が残るため、帰宅後の運転や重要な判断を避ける。
呼吸数低下、上気道閉塞、舌根沈下、無呼吸、低酸素血症、血圧低下が最重要である。オピオイド併用、急速静注、高齢、肥満、睡眠時無呼吸症候群で危険が高い。眠気、ふらつき、前向性健忘、運動失調、せん妄がみられる。小児や高齢者では興奮、攻撃性、脱抑制などの奇異反応が起こることがある。長期持続投与では蓄積と覚醒遅延、耐性、依存、離脱症状を生じる。
オピオイド、プロポフォール、吸入麻酔薬、アルコール、抗精神病薬との併用で鎮静、呼吸抑制、血圧低下が増強する。アゾール系抗真菌薬、マクロライド系抗菌薬、HIVプロテアーゼ阻害薬などのCYP3A4阻害薬は血中濃度を上昇させる。リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインは作用を減弱させる。拮抗薬はフルマゼニルだが、ミダゾラムの作用が再び現れる再鎮静と、依存患者での離脱けいれんに注意する。
急性閉塞隅角緑内障、重症筋無力症、重篤な呼吸不全、本剤に対する過敏症がある患者には投与しない。強力なCYP3A4阻害薬との併用は製剤・投与経路により禁忌または厳重な注意が必要となる。睡眠時無呼吸症候群、高齢者、衰弱患者、肝・腎機能障害、心不全、ショック、オピオイド使用患者では作用が強く遷延するため慎重に投与する。
短時間作用型ベンゾジアゼピン系薬で、処置時鎮静、麻酔導入、けいれん重積状態に用いられる。GABAA受容体Cl−チャネルの開口頻度を増加させ、強い前向性健忘を起こす。鎮痛作用はない。主にCYP3A4で代謝され、阻害薬で作用が遷延する。オピオイド併用時の呼吸抑制が特に重要で、拮抗薬はフルマゼニルである。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。