フェノバルビタールはGABAA受容体を介する抑制を増強する長時間作用型バルビツール酸系抗てんかん薬である。強直間代発作や新生児けいれんに用いられる。
フェノバール
抗てんかん薬
GABAA受容体に作用し、GABAによるCl−チャネルの開口時間を延長する。高用量ではGABAが存在しなくてもチャネルを開口させ得るため、ベンゾジアゼピン系薬より中枢抑制と呼吸抑制が強い。グルタミン酸AMPA受容体を介する興奮性伝達も抑制する。長時間作用型で、肝薬物代謝酵素を強く誘導し、自身および多くの併用薬の代謝を促進する。
強直間代発作、焦点発作などのてんかん発作に用いられる。新生児けいれんでは長年使用されてきた代表的治療薬である。鎮静や不眠症にも適応を持つ製剤があるが、依存性、呼吸抑制、過量時の危険性から睡眠薬として使用される機会は少ない。長い半減期を持つため、必要に応じて血中濃度を測定しながら調整する。
眠気、注意力低下、運動失調、認知機能低下、抑うつがみられる。小児では多動や易刺激性など逆説的興奮を起こすことがある。高用量では呼吸抑制、血圧低下、昏睡を生じる。長期使用では耐性、身体依存、骨粗鬆症、骨軟化症、葉酸欠乏、皮疹が問題となる。急な中止では重篤な離脱けいれんやせん妄を起こす。
CYP3A4、CYP2C9、UGTなどを誘導し、ワルファリン、経口避妊薬、ステロイド、抗精神病薬、免疫抑制薬、他の抗てんかん薬の濃度を低下させる。アルコール、オピオイド、ベンゾジアゼピン系薬、麻酔薬との併用では呼吸抑制が相加的に増強する。バルプロ酸はフェノバルビタール代謝を抑制し、血中濃度を上昇させることがある。
バルビツール酸系薬に対する過敏症、急性間欠性ポルフィリン症、重篤な呼吸不全、重篤な肝・腎障害、ショック状態では使用しない。薬物依存の既往、睡眠時無呼吸症候群、衰弱患者、高齢者では呼吸抑制や過鎮静に注意する。
バルビツール酸系薬はGABAA受容体Cl−チャネルの開口時間を延長し、ベンゾジアゼピン系薬は開口頻度を増加させる。フェノバルビタールは長時間作用型で、新生児けいれんに使用される。強力な肝酵素誘導により経口避妊薬やワルファリンの効果を低下させる。呼吸抑制、依存、離脱けいれん、骨軟化症が重要である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。