スキサメトニウムは筋型ニコチン受容体を持続的に刺激する脱分極性筋弛緩薬である。作用発現が極めて速く、迅速導入時の気管挿管などに用いられる。
筋弛緩薬
神経筋接合部の筋型ニコチン性アセチルコリン受容体を作動薬として刺激する。終板を持続的に脱分極させ、初期の筋線維束攣縮に続いてNaチャネルを不活性化し、活動電位を発生できない第1相ブロックを起こす。血漿偽性コリンエステラーゼで速やかに分解されるため、作用発現が速く持続は短い。反復・高用量では第2相ブロックへ移行することがある。
全身麻酔時の迅速導入、緊急気管挿管、短時間の筋弛緩が必要な処置に用いられる。鎮静・鎮痛・健忘作用はないため、意識下で単独投与してはならない。適切な換気管理と気管挿管の準備下で使用する。
高K血症、心停止、悪性高熱症、徐脈、筋線維束攣縮、術後筋痛、眼圧・胃内圧上昇を起こす。偽性コリンエステラーゼ欠損では遷延性無呼吸となる。小児の未診断筋ジストロフィーでは横紋筋融解と致死性高K血症の危険がある。
コリンエステラーゼ阻害薬は第1相ブロックを増強・延長する。吸入麻酔薬は筋弛緩作用と悪性高熱症リスクを増加させる。アミノグリコシド系抗菌薬、Mg製剤、リチウムなどは神経筋遮断を増強する。悪性高熱症にはダントロレンを用いる。
広範囲熱傷、挫滅傷、脊髄損傷、上位・下位運動ニューロン障害、長期臥床など高K血症を起こしやすい状態では使用しない。既存の高K血症、悪性高熱症の既往・素因、骨格筋ミオパチー、偽性コリンエステラーゼ活性低下が疑われる患者にも投与しない。
脱分極性筋弛緩薬であり、投与直後に筋線維束攣縮を起こしてから弛緩する。第1相ブロックはネオスチグミンで拮抗されず、むしろ延長する。熱傷、脱神経、神経筋疾患では受容体増加により致死性高K血症を起こす。悪性高熱症、偽性コリンエステラーゼ欠損による遷延性無呼吸も頻出の識別点である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。