E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)による急性肝炎である。A型肝炎と同様に経口感染で、慢性化は原則としてしない。豚肉や野生動物(イノシシ、シカなど)の生食が原因となり、妊婦が感染すると劇症化しやすいのが最大の特徴である。
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発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐。
黄疸、褐色尿、肝腫大。
劇症肝炎(特に妊婦):意識障害(肝性脳症)、出血傾向。
問診:豚肉やジビエの生食・加熱不足での摂食歴。海外(流行地)への渡航歴。
血清学的検査:IgA-HEV抗体、またはIgM-HEV抗体の検出(急性感染の指標)。
ウイルス遺伝子検査:血液または便中のHEV-RNAの検出(確定診断)。
特異的な抗ウイルス薬はなく、『対症療法と安静』が基本。自然治癒を待つ。
劇症化した場合は、人工肝補助療法(血漿交換、CHDF)や肝移植が必要となる。
予防:最大の予防法は『豚肉や野生動物の肉を中心部まで十分に加熱(75℃、1分以上)して食べる』こと。
病態
人獣共通感染症(ズーノーシス)。ウイルスに汚染された肉類(豚、イノシシ、シカなど)の生食や加熱不足により経口感染する。
試験・臨床での重要ポイント
病歴聴取のエピソードが独特であり、『ジビエ料理(イノシシやシカの肉)を食べた』『豚のレバ刺しを食べた』というキーワードがあればE型肝炎を強く疑う。
また、国試で絶対に出題されるのが『妊婦の感染』。なぜか妊婦がHEVに感染すると、劇症肝炎(急性肝不全)へ進行する確率が非常に高く、母子ともに致死率が跳ね上がるため極めて危険である。
覚え方・コツ
「E型肝炎は『生焼けの豚やイノシシ(ジビエ)でうつる』!A型と同じ口から入るタイプ(経口感染)で、治れば慢性化しない。絶対に忘れてはいけないのが『妊婦さんには超危険』ということ!妊婦が感染すると、一気に劇症肝炎になって命に関わる。豚肉の生食は絶対にダメ!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。