マルファン症候群は、結合組織の主成分であるフィブリリン1の異常により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。高身長やクモ状指などの骨格異常、大動脈解離などの重篤な心血管病変、および水晶体の上方脱臼を三徴とする。
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骨格症状:高身長、クモ状指(クモのように細く長い指)、漏斗胸または鳩胸、側弯、関節の過剰可動性。
心血管症状:大動脈基部拡大(大動脈瘤)、大動脈解離(突然の引き裂かれるような胸背部痛)、大動脈弁逆流(AR)、僧帽弁逸脱症(MVP)。
眼症状:水晶体亜脱臼(上方)、強度近視。
呼吸器症状:自然気胸(ブラの破裂)。
Ghent(ゲント)の診断基準:大動脈基部拡大、水晶体亜脱臼、全身の骨格スコアなどを組み合わせて診断する。
遺伝子検査:FBN1遺伝子変異の確認。
心エコー:大動脈基部の拡大(zスコア)の測定。
心血管病変の管理(最重要):血圧を下げて血管への負担を減らすため、『β遮断薬』や『ARB(ロサルタンなど)』を内服する。大動脈基部が一定のサイズ(通常50mm前後)を超えたら、破裂前に人工血管置換術(Bentall手術など)を行う。
眼科的・整形外科的介入(白内障・緑内障の管理、側弯症の矯正)。
病態
FBN1遺伝子変異により、全身の組織の弾力性や支持力が低下する。血管が伸びて裂けやすくなり、眼のレンズを支える糸(チン小帯)が切れてレンズがズレる。
試験・臨床での重要ポイント
『大動脈基部拡大(バルサルバ洞の拡大)』とそれに伴う『大動脈解離』、大動脈弁閉鎖不全症(AR)が生命予後を左右する最大のキーワード。急死のリスクがあるため、定期的な心エコーによる血管径のフォローと、激しいスポーツの制限が必須である。
類似疾患である『ホモシスチン尿症』との鑑別が超頻出。マルファンは「水晶体が【上方】に脱臼し、知能は【正常】」。ホモシスチン尿症は「水晶体が【下方】に脱臼し、【知的障害】と血栓症を伴う」。
覚え方・コツ
「マルファンは『背が高くて指が長い(クモ状指)、血管が裂けやすい病気』!全身のゴム(フィブリリン)が弱いから、一番圧力がかかる心臓の出口の血管が膨らんで裂ける(大動脈解離)!目のレンズも上にズレる。知能は全く問題ないから、同じ見た目のホモシスチン尿症(レンズ下方脱臼、知的障害あり)としっかり区別しろ!」
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Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
産褥心筋症は、それまで心疾患の既往がない女性が、妊娠末期から産後(産褥期)数ヶ月の間に突然発症する特発性の心不全。拡張型心筋症(DCM)と同様に左室の拡張と収縮能低下をきたす。母体の生命を脅かす重篤な疾患である。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。