I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
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呼吸困難、チアノーゼ、頻呼吸、頻脈。
低酸素血症による不穏状態、意識障害。
血液ガス分析(室内気吸入時):PaO2 ≦ 60 Torr、かつ PaCO2 ≦ 45 Torr。
A-aDO2(肺胞気動脈血酸素分圧較差):開大(> 15Torr)していることが多い(肺でのガス交換がうまくいっていない証拠)。
基本:『酸素投与』。鼻カヌラやマスクで十分な酸素を投与し、低酸素血症を速やかに改善する。
原疾患の治療:心不全に対する利尿薬、肺炎に対する抗菌薬など。
重症例:酸素投与だけで改善しない場合(ARDSなど)は、NPPVや気管挿管による人工呼吸器管理を行い、PEEP(呼気終末陽圧)をかけて潰れた肺胞を膨らませる。
病態
肺そのものの障害(換気血流不均等、拡散障害、シャント)により、酸素を取り込む能力が低下している状態である。二酸化炭素(CO2)は酸素よりも拡散能力が約20倍高いため、息苦しさから換気量が増える(過換気)と容易に排出され、PaCO2は上がらない(むしろ過換気で低下することもある)。
試験・臨床での重要ポイント
原因疾患として『ARDS、重症肺炎、間質性肺炎、肺塞栓症、心原性肺水腫』が代表的。治療の基本は、足りない酸素を補うための『酸素投与』である。なお、高濃度の酸素を投与してもPaO2が上がらない場合は、静脈血が肺胞を経由せずにそのまま動脈に混ざる「シャント(右左シャント)」病態を疑う。
覚え方・コツ
「I型呼吸不全は『酸素だけが足りない』状態!肺が水浸しだったり(肺水腫・ARDS)、硬くなったり(間質性肺炎)して酸素が血液に入れない。でもCO2は通り抜けやすいから、ゼェゼェ息を荒くしていれば外に逃げていく。治療はシンプルに『酸素を吸わせる』こと!」
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過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。
肺腺癌は、原発性肺癌の中で最も頻度が高く(約60%)、非喫煙者や女性にも多く発症する。肺の末梢(肺野)に発生しやすく、EGFR変異などのドライバー遺伝子変異が高率に見つかるため、分子標的治療が予後を劇的に改善している。