乾性咳嗽は、喀痰をほとんど伴わない咳嗽である。ウイルス感染初期、咳喘息、間質性肺疾患、ACE阻害薬、胃食道逆流症、胸膜刺激などでみられる。
症状
乾性咳嗽は、気道内分泌物の増加よりも、気道粘膜・喉頭・胸膜の感覚受容体刺激や咳反射過敏によって生じる。咳喘息では好酸球性気道炎症、間質性肺疾患では肺間質の炎症・線維化による末梢気道刺激、ACE阻害薬ではブラジキニン蓄積が関与する。胃食道逆流では食道気道反射や咽喉頭への逆流が咳受容体を刺激する。
持続期間、夜間・早朝、運動、冷気、会話、食後、臥位との関係を確認する。喘鳴、胸やけ、鼻症状、発熱、呼吸困難、薬剤、喫煙を聴取する。SpO2、呼吸数、肺音、ばち指、捻髪音を評価する。慢性例では胸部X線、肺機能、気道過敏性、呼気一酸化窒素を検討する。ACE阻害薬や吸入薬による咽頭刺激も確認する。
湿性咳嗽では喀痰産生を伴い、気道分泌物の増加や排出が中心となる。咳喘息は乾性咳嗽のみで喘鳴を欠くことがある。間質性肺疾患では労作時呼吸困難、捻髪音、ばち指を伴う。ACE阻害薬では薬剤開始との時間関係が重要である。心不全でも初期には乾性咳嗽となり得るが、起坐呼吸や浮腫を伴う。
乾性咳嗽に進行性呼吸困難、低酸素血症、ばち指、両側捻髪音を伴う場合は間質性肺疾患を疑う。突然の胸痛、呼吸困難では肺塞栓や気胸、体重減少、血痰では肺癌・結核を評価する。吸気性喘鳴や声が出しにくい場合は上気道狭窄を考える。
乾性咳嗽では咳喘息、ACE阻害薬、間質性肺疾患、胃食道逆流症を考える。咳喘息は夜間・早朝の乾性咳嗽が中心で、気管支拡張薬に反応する。ACE阻害薬による咳はブラジキニン蓄積が関与する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。