胸部圧迫感は、胸が押される、重い、締め付けられる、息が詰まるように感じる主観的症状である。心筋虚血を最優先に考える必要があるが、喘息、心不全、胃食道逆流症、筋骨格系疾患、パニック発作などでも生じる。
症状
胸部圧迫感は痛覚だけでなく、呼吸仕事量増加、胸壁・食道刺激、自律神経反応など複数の感覚を含む。心筋虚血では心筋代謝産物が内臓求心路を刺激し、局在の曖昧な圧迫感となる。喘息では気道狭窄、肺過膨張、呼吸筋負荷が胸の締め付けとして感じられる。心不全では肺うっ血と肺コンプライアンス低下、胃食道逆流や食道攣縮では食道壁刺激、パニック発作では過換気と交感神経亢進が関与する。患者の表現だけでは原因を確定できず、労作、呼吸、食事、体位との関係が重要となる。
発症時刻、部位、持続、圧迫の強さ、放散、労作・呼吸・食事・体位との関係、冷汗、悪心、呼吸困難、喘鳴、動悸を確認する。冠危険因子、喘息、心不全、消化器疾患、精神的ストレス、薬剤を聴取する。血圧、脈拍、SpO2、左右血圧差、心音、呼吸音、胸壁圧痛を評価する。急性・原因不明例では心電図と心筋トロポニンを優先し、胸部画像、血液ガス、肺塞栓評価を状況に応じて行う。圧迫で再現する、制酸薬で軽快するという所見だけで心疾患を除外しない。症状発生時の動作と経過を具体的に再現して聴取する。
心筋虚血では胸骨後部の圧迫感、労作誘発、上肢・顎への放散、冷汗が手がかりとなる。喘息では喘鳴、呼気延長、ピークフロー低下、心不全では起坐呼吸、浮腫、cracklesを伴う。胃食道逆流症では食後・臥位、酸逆流との関連がある。筋骨格性では体動・局所圧迫で再現されやすい。パニック発作では強い恐怖、しびれ、過呼吸を伴うが、初回や冠危険因子のある患者では器質的疾患を先に除外する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。