「救急」の科目に関連する53件の症状・徴候を一覧で確認できます。学習範囲を絞って復習できます。
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Biot呼吸は、呼吸の深さと間隔が不規則となり、予測不能な無呼吸を挟む異常呼吸である。延髄を中心とする呼吸中枢の障害、髄膜炎、頭蓋内圧亢進、薬物中毒などでみられ、呼吸停止へ進行し得る重篤な所見である。
Blumberg徴候は、腹壁をゆっくり圧迫した後に急に手を離すと、圧迫時より解除時に強い疼痛が生じる所見である。反跳痛と同義で、壁側腹膜の炎症を示唆するが、患者への負担が大きいため反復して確認しない。
Cullen徴候は、臍周囲に出現する青紫色から暗赤色の皮下出血斑である。腹腔内・後腹膜出血が腹壁皮下へ進展した所見で、重症急性膵炎、異所性妊娠破裂、腹部外傷などでみられるが、出現は遅く感度も低い。
Grey Turner徴候は、側腹部から腰部に出現する青紫色・暗赤色の皮下出血斑である。後腹膜出血が筋膜面を通って皮下へ進展した所見で、重症急性膵炎、後腹膜出血、腹部外傷などを示唆する。
III音は、II音直後の拡張早期に生じる低周波心音であり、急速流入した血液によって心室壁や腱索が振動して生じる。小児、若年者、妊婦では生理的な場合があるが、中高年では心室容量負荷や収縮不全を示唆する。
IV音は、I音直前の拡張末期に生じる低周波心音であり、心房収縮によって血液が硬く拡張しにくい心室へ流入する際に生じる。高血圧性左室肥大、大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症、心筋虚血などを示唆し、心房細動では生じない。
Kussmaul呼吸は、深く大きく、規則的で持続する呼吸様式であり、重度代謝性アシドーシスに対する呼吸性代償としてみられる。糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、尿毒症などが代表原因で、単なる不安性過呼吸とは病態が異なる。
Kussmaul徴候は、吸気時に頸静脈圧が低下せず、かえって上昇する身体所見である。吸気によって増加した静脈還流を右心系が受け入れられないことを示し、収縮性心膜炎、拘束型心筋症、右室梗塞、重症右心不全などでみられる。
McBurney点圧痛は、臍と右上前腸骨棘を結ぶ線上で、右上前腸骨棘から約3分の1内側に相当する部位の圧痛である。典型的な急性虫垂炎でみられるが、虫垂の位置や妊娠、体格によって圧痛部位は変化する。
Murphy徴候は、右季肋部を圧迫したまま患者に深く吸気させると、下降した胆囊が診察者の指へ接触して強い痛みを生じ、吸気が途中で止まる所見である。急性胆囊炎を示唆するが、高齢者や壊疽性胆囊炎では陰性となることがある。
stridorは、喉頭や気管など上気道の高度狭窄によって生じる、高調で粗い呼吸音である。吸気性が多いが、狭窄部位により二相性・呼気性となる。気道異物、クループ、喉頭蓋炎、アナフィラキシー、腫瘍などでみられ、気道閉塞の緊急警告所見である。
wheezesは、狭窄した気道を空気が通過する際に生じる、高調で笛のような連続性副雑音である。喘息、COPD、気道浮腫、気管支攣縮などで聴取され、通常は呼気に強い。局所性単音性wheezeでは腫瘍や異物による固定性気道狭窄を考える。
チアノーゼは、皮膚や粘膜が青紫色に見える身体徴候である。還元ヘモグロビン増加により生じ、中枢性と末梢性に分けて評価する。
不整脈は、心拍の発生または伝導に異常が生じ、心拍数やリズムが正常範囲から外れた状態である。無症状の期外収縮から、失神や突然死につながる心室頻拍・心室細動まで重症度は幅広い。
低血圧は、血圧が低く、脳、心臓、腎臓などへの灌流が不足し得る状態である。体質的に無症状のこともあるが、急性発症で意識障害、冷汗、乏尿を伴う場合はショックや重篤な循環不全を示唆する。
低酸素血症は、動脈血中の酸素分圧が低下した状態である。換気血流比不均衡、シャント、拡散障害、低換気、吸入酸素分圧低下などで生じ、重症では臓器障害を引き起こす。
冷汗は、皮膚が冷たく湿潤する発汗であり、交感神経が急激に亢進した際にみられる。ショック、急性冠症候群、低血糖、強い疼痛、失神前状態などの重要な警告所見である。
労作時失神は、運動中または運動に伴って一過性に意識を失う症状である。大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症、肺高血圧、重篤な不整脈などが原因となり得るため、反射性失神より先に心原性失神を除外する必要がある。
労作時胸痛は、歩行、階段昇降、運動、重い物を持つなど身体活動に伴って出現する胸痛である。安定狭心症が代表的だが、大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症、肺高血圧、運動誘発性気管支収縮、筋骨格系疾患でも生じる。
反跳痛は、腹壁をゆっくり圧迫した後に急に手を離した際、圧迫中よりも強い痛みが誘発される所見である。壁側腹膜の炎症を示唆する腹膜刺激徴候の一つだが、検査による苦痛が大きいため反復せず、咳嗽痛や打診痛も活用する。
右季肋部痛は、右上腹部の肋骨弓下に感じる疼痛である。胆石症、急性胆囊炎、急性胆管炎、肝炎、肝膿瘍が代表的だが、右下葉肺炎、胸膜炎、腎疾患、Fitz-Hugh-Curtis症候群などでも生じる。
吐血は、上部消化管からの出血を嘔吐する症状である。消化性潰瘍、食道胃静脈瘤、Mallory-Weiss症候群などで生じる。
声音振盪低下は、発声による胸壁の振動が周囲や対側より弱く触知される身体所見である。胸水、気胸、主気管支閉塞、閉塞性無気肺、肺気腫など、音声振動の発生部位から胸壁までの伝達が遮られる病態を示唆する。
奇脈は、吸気時に収縮期血圧が過度に低下する身体所見である。一般に吸気時の収縮期血圧低下が10mmHgを超える場合を指し、心タンポナーデ、重症喘息・COPD、緊張性気胸などでみられる。名称に反して脈拍が逆転する所見ではない。
奔馬調律は、I音・II音にIII音またはIV音が加わり、頻脈下で馬の駆け足のような三拍子として聴取される心音である。III音性、IV音性、両者が融合するsummation gallopがあり、成人では心不全や心室コンプライアンス低下を示す重要所見となる。
尿閉は、膀胱内に尿が貯留しているにもかかわらず、尿を排出できない、または十分に排出できない状態である。急性尿閉では強い下腹部痛を伴い、慢性尿閉では症状が乏しいまま腎障害や溢流性尿失禁へ進行する。
左右脈拍差は、左右同名動脈で脈拍の振幅、立ち上がり、到達時刻が異なる所見である。鎖骨下動脈狭窄、大動脈解離、大血管炎、塞栓・血栓などを示唆し、急性胸痛や肢虚血を伴う場合は緊急評価を要する。
徐呼吸は、年齢や状況に対して呼吸数が低下した状態である。睡眠中や運動選手では生理的なこともあるが、中枢神経障害、薬物中毒、低体温、呼吸筋疲労では呼吸不全の前兆となる。
徐脈は、安静時の心拍数が通常より遅い状態である。運動習慣による生理的徐脈もあるが、洞不全症候群、房室ブロック、薬剤、虚血、電解質異常では失神や循環不全を生じる。
心窩部痛は、胸骨下端と臍の間の上腹部中央に感じる疼痛である。胃炎、消化性潰瘍、機能性ディスペプシア、急性膵炎、胆道疾患が多いが、急性冠症候群、大動脈疾患、下壁肺炎でも生じる。
心膜摩擦音は、炎症により粗造化した臓側心膜と壁側心膜が心拍に伴って擦れ合うことで生じる、高調で擦過性の付加音である。急性心膜炎に特徴的で、胸骨左縁で前傾姿勢にすると聴取しやすい。
悪寒は寒さを強く感じる症状、戦慄は体温上昇に伴って起こる不随意な激しい筋収縮である。菌血症、重症感染症、急速な発熱時にみられ、単なる寒気より臨床的意義が大きい。
打診濁音は、胸壁を打診した際に正常肺野の共鳴音より低く、短く、鈍い音を認める所見である。胸水、肺炎、無気肺、腫瘤など、胸壁下の空気量が減少し液体や実質組織の割合が増えた場合に生じる。
拡張期雑音は、II音から次のI音までの心室拡張期に聴取される心雑音である。大動脈弁逆流、肺動脈弁逆流、僧帽弁狭窄症、三尖弁狭窄症などで生じ、一般に病的所見として原因検索が必要となる。
末梢冷感は、手足など四肢末端が冷たく感じられる、または触診で冷たい状態である。寒冷曝露のほか、心拍出量低下、ショック、末梢動脈疾患、自律神経異常などで生じる。
板状硬は、腹壁が板のように硬く緊張し、呼吸や患者の意思によっても弛緩しない高度の腹膜刺激所見である。消化管穿孔、汎発性腹膜炎、腹腔内出血などを強く示唆し、緊急外科評価を要する。
気管偏位は、頸部または胸郭内で気管が正中から左右いずれかへ移動した所見である。肺容量が減少する無気肺・線維化では病変側へ、緊張性気胸や大量胸水など胸腔内圧・容積が増大する病態では反対側へ偏位することがある。
無呼吸は、一定時間にわたり呼吸運動または有効な気流が停止した状態である。気道閉塞、中枢性呼吸停止、神経筋障害、心停止、睡眠関連呼吸障害などで生じる。
無尿は、尿がほとんど排出されない状態である。両側尿路閉塞、重度腎血流低下、重症急性腎障害などで生じる。
狭心痛は、一過性心筋虚血によって生じる胸部不快感であり、胸骨後部の圧迫感、締め付け感、重苦しさとして表現される。労作や精神的興奮で誘発され、休息や硝酸薬で軽快する典型的安定狭心症から、安静時に出現する不安定狭心症・冠攣縮性狭心症まで病態は異なる。
筋性防御は、腹腔内の炎症に対して腹壁筋が不随意かつ持続的に収縮し、触診時に腹壁が硬くなる所見である。壁側腹膜の刺激を示し、随意性の腹筋緊張と区別する。限局性または汎発性に出現する。
経皮的酸素飽和度低下は、パルスオキシメータで測定されるSpO2が低下した所見である。低酸素血症を示唆するが、末梢循環不良、体動、マニキュア、異常ヘモグロビンなどによる誤差もある。
胸膜摩擦音は、炎症で粗造化した臓側胸膜と壁側胸膜が呼吸運動に伴って擦れ合うことで生じる、きしむような非楽音性副雑音である。胸膜炎、肺炎、肺梗塞、悪性腫瘍などでみられ、胸膜痛を伴うことが多い。
胸部圧迫感は、胸が押される、重い、締め付けられる、息が詰まるように感じる主観的症状である。心筋虚血を最優先に考える必要があるが、喘息、心不全、胃食道逆流症、筋骨格系疾患、パニック発作などでも生じる。
脱水は、体内の水分が不足し、循環血液量や細胞内外液の恒常性が損なわれた状態である。嘔吐、下痢、発熱、発汗、多尿、摂取不足などで生じ、重症化するとショック、急性腎障害、意識障害を来す。
腸雑音亢進は、腸管内の液体やガスの移動に伴う音が、頻回または大きく聴取される所見である。急性胃腸炎、下痢、機械性腸閉塞の初期、消化管出血後などでみられるが、音の頻度だけで疾患を確定できない。
腹部膨満は、腹部が張るという自覚症状、または腹囲が増大して腹部が膨隆した他覚所見である。腸管ガス、便秘、腸閉塞、腹水、肥満、妊娠、臓器腫大、腹腔内腫瘤など多様な原因がある。
複視は、1つの物体が2つに見える症状である。眼球運動神経障害、外眼筋疾患、神経筋接合部障害、眼窩病変などで生じる。
頸静脈圧上昇は、内頸静脈の拍動上縁が通常より高い位置にみられる身体所見であり、右房圧上昇を反映する。右心不全、体液過剰、心タンポナーデ、収縮性心膜炎、肺高血圧などの評価に重要である。
頻呼吸は、年齢や状況に対して呼吸数が増加した状態である。発熱、低酸素血症、代謝性アシドーシス、肺疾患、心不全、疼痛、不安などでみられ、重症化の早期徴候となる。
顔面蒼白は、顔面の皮膚色が通常より白く見える身体徴候である。貧血、末梢血管収縮、急性出血、ショック、失神前状態などで生じる。
黒色便・タール便は、消化された血液により黒く粘稠で悪臭を伴う便である。通常は上部消化管出血を示唆する。
疾患・概念・薬・検査・症状徴候・病原体を横断して確認できます。