末梢冷感は、手足など四肢末端が冷たく感じられる、または触診で冷たい状態である。寒冷曝露のほか、心拍出量低下、ショック、末梢動脈疾患、自律神経異常などで生じる。
身体徴候
交感神経性血管収縮、心拍出量低下、動脈狭窄・閉塞により末梢皮膚血流が減少すると四肢末端の温度が低下する。ショックでは重要臓器への血流を維持するため末梢血管が収縮する。局所性では末梢動脈疾患や急性動脈閉塞、左右対称性では低心拍出や寒冷、自律神経異常を考える。
手背で左右の皮膚温を比較し、色調、毛細血管再充満時間、発汗、浮腫、疼痛、しびれを確認する。橈骨、足背、後脛骨動脈を触知し、左右差や脈拍消失を評価する。血圧、心拍数、意識、尿量、SpO2を測定し、必要に応じて足関節上腕血圧比や血管エコーを行う。
寒冷曝露では左右対称で保温により改善する。心原性・循環血液量減少性ショックでは低血圧、頻脈、乏尿を伴う。末梢動脈疾患では間欠性跛行、脈拍減弱、皮膚萎縮がみられ、Raynaud現象では寒冷や緊張により白色、青紫色、赤色へ色調が変化する。
突然の片側四肢冷感に激痛、蒼白、脈拍消失、感覚障害、麻痺を伴う場合は急性動脈閉塞を疑い、直ちに血管外科へ連絡する。両側末梢冷感に低血圧、意識障害、乏尿、冷汗を伴う場合はショックとして緊急対応する。
末梢冷感は低灌流の重要な所見であり、毛細血管再充満時間、血圧、尿量と合わせて評価する。急性動脈閉塞の6Pとして疼痛、蒼白、脈拍消失、感覚異常、麻痺、冷感を整理する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。