徐呼吸は、年齢や状況に対して呼吸数が低下した状態である。睡眠中や運動選手では生理的なこともあるが、中枢神経障害、薬物中毒、低体温、呼吸筋疲労では呼吸不全の前兆となる。
身体徴候
延髄呼吸中枢の抑制、オピオイドや鎮静薬による神経活動低下、頭蓋内圧亢進、低体温、代謝異常、神経筋障害により呼吸駆動または呼吸筋出力が低下する。分時換気量が不足すると二酸化炭素が蓄積し、呼吸性アシドーシス、傾眠、意識障害が進行する。重症呼吸不全で頻呼吸から徐呼吸へ変化する場合は呼吸筋疲弊を示唆する。
呼吸数を1分間測定し、深さ、規則性、胸郭運動、気道音、無呼吸の有無を確認する。意識状態、瞳孔径、SpO2、脈拍、血圧、体温を評価し、オピオイド、睡眠薬、鎮静薬、アルコール、外傷、神経疾患の情報を聴取する。換気不全が疑われる場合は動脈血ガスまたは呼気終末二酸化炭素を確認し、呼吸筋力や胸郭運動も評価する。
生理的徐呼吸は睡眠中や訓練された運動選手でみられ、意識や酸素化は保たれる。オピオイド中毒では縮瞳と意識障害、頭蓋内圧亢進では高血圧と徐脈、低体温では体温低下と全身機能低下を伴う。単に呼吸数が少なくても一回換気量が十分なら換気不全とは限らない。
徐呼吸に意識障害、縮瞳、チアノーゼ、SpO2低下、浅呼吸、無呼吸、低血圧を伴う場合は呼吸停止へ進行する危険がある。オピオイド中毒、頭蓋内圧亢進、重症高二酸化炭素血症、神経筋疾患を疑い、気道確保と換気補助を直ちに行う。
徐呼吸では呼吸数だけでなく意識、呼吸の深さ、PaCO2を評価する。縮瞳、意識障害、徐呼吸はオピオイド中毒を示唆する。頻呼吸だった患者が徐呼吸へ変化した場合は呼吸筋疲弊を疑う。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。