経皮的酸素飽和度低下は、パルスオキシメータで測定されるSpO2が低下した所見である。低酸素血症を示唆するが、末梢循環不良、体動、マニキュア、異常ヘモグロビンなどによる誤差もある。
身体徴候
パルスオキシメータは酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収差から動脈血酸素飽和度を推定する。肺胞換気やガス交換が障害されPaO2が低下すると、酸素解離曲線に従ってSpO2も低下する。末梢灌流低下、不整脈、体動、色素、機器装着不良では測定精度が低下する。一酸化炭素ヘモグロビンやメトヘモグロビンでは実際の酸素化を正確に反映しない。
プローブを正しく装着し、脈波表示と測定脈拍が実測脈拍に一致するか確認する。手指の冷感、体動、マニキュア、強い外光を除き、別の指や耳朶で再測定する。酸素投与量、安静時か運動時かを記録し、呼吸数、意識、呼吸困難、チアノーゼを評価する。値が不安定、臨床像と不一致、重症の場合は動脈血ガスや共酸素測定で確認する。
真の低酸素血症では呼吸器症状や動脈血ガス異常を伴う。末梢循環不良では脈波が不良で値が変動しやすい。貧血ではSpO2が正常でも酸素含量が低い。一酸化炭素中毒では通常のSpO2が見かけ上正常となることがあり、メトヘモグロビン血症では約85%付近に収束しやすい。
SpO2低下に意識障害、会話困難、呼吸疲弊、胸痛、低血圧、片側呼吸音消失、吸気性喘鳴を伴う場合は直ちに酸素化と換気を評価し、救急対応する。急激な低下はプローブ異常だけでなく、肺塞栓、気胸、気道閉塞、肺水腫を疑う。
SpO2は酸素化の簡便な指標だが、換気やPaCO2は評価できない。低灌流、体動、マニキュアで誤差が生じる。一酸化炭素中毒では通常のパルスオキシメータを過信せず、共酸素測定を用いる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。