体温の設定値が上がる発熱を、測定条件・時間経過・感染以外の原因から整理する。体温だけで重症度を決めず、意識・呼吸・循環と背景リスクを合わせる。
症状
発熱では、炎症性の刺激からプロスタグランジンE2などを介して体温調節の設定値が上がる。現在の体温が新しい設定値より低い間は、皮膚血管の収縮や悪寒・戦慄などによって熱を保ち、産生を増やす。
熱中症などの高体温では、設定値の上昇とは異なる機序で産熱と放熱の均衡が崩れる。高い体温という見た目が同じでも、原因と対応を同じにしない。感染だけでなく、炎症性疾患、薬剤、腫瘍などでも発熱は起こり得る。
測定した時刻、部位、機器、最高値、持続・変動、解熱薬を使った時点を確認する。腋窩・口腔・深部体温など測定部位が違う値を、同じ条件での変化として単純に並べない。
呼吸数、脈拍、血圧、酸素化、意識、尿量などの全身状態を確認し、咳・呼吸困難、排尿症状、腹痛・下痢、皮膚、頭痛・神経症状などから感染源や別の原因を調べる。新しい薬剤、処置、渡航、動物接触、免疫抑制や抗がん薬などの背景も聞く。
報告例は「体温と測定条件、発症、前回からの変化、随伴症状、バイタル、背景リスク」をそろえる。単に熱が何度かだけでは、評価の緊急性は伝わらない。
状況 | 考える方向 | 確認すること |
|---|---|---|
局所症状と発熱 | 感染等の原因部位 | 局所所見と全身状態 |
新規薬剤後の発熱 | 薬剤関連を含め検討 | 開始時期と感染等の併存 |
暑熱・運動の曝露 | 熱中症など | 意識、循環、体温、曝露歴 |
免疫抑制・好中球減少の背景 | 重症感染のリスク | 熱が高くない場合も含め早期評価 |
悪寒戦慄は感染を考える重要な情報だが、それだけで菌血症を確定しない。解熱したことだけで原因が解決したとも判断しない。敗血症は高熱がない場合もあり、体温の低さや平熱を理由に除外できない。
意識の変化、呼吸困難、血圧低下、末梢循環の悪化、乏尿、紫斑、強い頭痛や項部硬直などは緊急に評価する。免疫抑制や抗がん薬治療中など背景によっては、全身症状が目立たなくても速やかな連絡・評価が必要となる。
新生児・乳児の発熱、妊娠中、重い基礎疾患のある人は別の評価基準を要する。本項目の成人中心の整理から、小児の待機や薬剤量を判断しない。
発熱と高体温、体温の高さと臓器障害を区別する。感染源の探索と、呼吸・循環・意識など重症度の評価を同時に進める。
看護・実習では、体温の折れ線に薬剤・症状・処置の時刻を重ねると経過が読みやすい。必要な評価を解熱の確認だけで終えず、治療の判断は原因と全身状態に基づく。
NICE NG253:Suspected sepsis in people aged 16 or over – Could this be sepsis?
医療系学生向けの学習情報を編集・提供しています。