膿性痰は、好中球や細胞残渣を多く含み、黄色から緑色を呈する喀痰である。肺炎、気管支拡張症、COPD急性増悪、肺膿瘍などでみられるが、色だけで細菌感染を確定することはできない。
症状
気道・肺胞の好中球性炎症により、好中球、細菌、壊死組織、粘液が混ざると膿性痰となる。緑色調には好中球ミエロペルオキシダーゼが関与する。細菌性肺炎や気管支拡張症では炎症負荷が高くなるが、ウイルス感染後や慢性気道炎症でも痰が着色することがある。そのため、膿性という外観は炎症を示しても、細菌感染や抗菌薬適応を単独では決められない。
色、量、臭い、粘度、血液混入、発症時期、発熱、胸痛、呼吸困難を確認する。悪臭、体位で増える大量痰、反復感染は気管支拡張症や肺膿瘍を考える。呼吸数、SpO2、肺音を評価し、胸部画像を行う。良質な喀痰を採取し、Gram染色、培養、必要に応じて抗酸菌検査を行う。COPDでは呼吸困難増悪、痰量増加、膿性化の組合せを確認する。
粘液性痰は白色・透明で、膿性痰は黄緑色で好中球性炎症を反映する。肺炎では発熱、局所性肺所見、浸潤影を伴う。気管支拡張症では慢性的な大量膿性痰と反復感染、肺膿瘍では悪臭痰と空洞影が手がかりとなる。副鼻腔炎の膿性鼻汁が口腔へ流れ、痰と認識される場合もある。
膿性痰に高熱、低血圧、意識障害、低酸素血症を伴う場合は重症肺炎・敗血症を疑う。大量悪臭痰、胸痛、体重減少は肺膿瘍や壊死性肺炎を考える。血痰・喀血を伴う場合は気管支拡張症、結核、肺癌も評価する。免疫不全者では軽微な所見でも重症感染を除外する。
膿性痰は好中球性炎症を示唆するが、痰の色だけで細菌感染や抗菌薬適応を判断しない。COPD急性増悪では呼吸困難増悪、痰量増加、膿性化が重要である。悪臭痰では嫌気性菌による肺膿瘍を考える。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。