起坐呼吸は、仰臥位になると呼吸困難が増悪し、上半身を起こす、座る、複数の枕を使用すると軽快する症状である。左心不全で典型的だが、重症肺疾患、横隔膜機能低下などでもみられる。
症状
仰臥位では下肢・内臓静脈から胸腔内への静脈還流が増え、左室機能が低下している患者では左房圧・肺毛細血管圧が上昇する。さらに横隔膜が腹部臓器により頭側へ押され、肺気量が減少する。座位では静脈還流と肺うっ血が軽減し、横隔膜下降と呼吸補助筋使用が容易となるため、呼吸困難が改善する。
何個の枕が必要か、平らに寝られるか、座位になると何分で改善するか、夜間発作性呼吸困難、体重増加、浮腫を確認する。半座位で呼吸数、SpO2、頸静脈、心音、湿性ラ音、下腿浮腫を評価する。安全に可能なら体位変化で症状・SpO2の変化を確認するが、重症例を無理に仰臥位にしない。胸部画像、BNP、心エコー、腎機能を病態に応じて評価する。
夜間発作性呼吸困難は入眠後しばらくして突然呼吸困難で覚醒するのに対し、起坐呼吸は仰臥位にすると比較的速やかに悪化する。COPDや肥満でも仰臥位で呼吸しにくいことがある。片側横隔神経麻痺や神経筋疾患では臥位で肺活量が低下する。鼻閉による寝苦しさとは心肺所見が異なる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。