間欠性跛行は、歩行など一定の運動により下肢筋の痛み、締め付け、疲労感が出現し、休息により軽快する症状である。末梢動脈疾患による血管性跛行が代表的だが、腰部脊柱管狭窄症による神経性跛行との鑑別が重要となる。
症状
末梢動脈疾患では動脈硬化性狭窄により安静時血流は保たれていても、運動時に増加する骨格筋酸素需要へ血流が追いつかない。筋内に乳酸、アデノシンなどの代謝産物が蓄積し、虚血性疼痛、締め付け、だるさとして知覚される。休息すると酸素需要が低下し、数分以内に症状が軽快する。症状部位は病変より遠位の筋群に現れ、腸骨動脈病変では殿部・大腿、大腿動脈病変では下腿、膝窩・下腿動脈病変では足部症状が中心となる。腰部脊柱管狭窄症では歩行や腰椎伸展によって神経根・馬尾の圧迫と虚血が増し、下肢痛やしびれが生じる。前屈や座位で脊柱管が広がると改善する。
症状が出現する歩行距離、速度、坂道との関係、休息後の改善時間、左右差、痛む部位を確認する。立ち止まるだけで改善するか、座る・前屈する必要があるかを聴取する。喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常、冠動脈疾患、脳血管疾患を確認する。診察では大腿、膝窩、後脛骨、足背動脈を触知し、皮膚温、色、毛の減少、爪、潰瘍、筋萎縮を評価する。足関節上腕血圧比は基本検査で、一般に0.90以下は末梢動脈疾患を示唆する。安静時値が正常でも疑いが強い場合は運動後測定を行う。糖尿病や腎不全では動脈石灰化により値が偽高値となるため、足趾上腕血圧比や血流波形を検討する。神経性跛行が疑われる場合は腰椎伸展・屈曲との関係、筋力、感覚、反射、腰椎画像を評価する。歩行機能は一定条件のトレッドミルや6分間歩行で定量化できる。
血管性跛行は一定の運動量で再現され、立ち止まるだけで数分以内に軽快し、末梢脈拍低下や足関節上腕血圧比低下を伴う。神経性跛行は立位・腰椎伸展で悪化し、座位や前屈、自転車姿勢で改善しやすく、歩行可能距離が変動する。静脈性跛行では下肢の張り、腫脹、重苦しさが運動で増し、挙上で改善する。変形性関節症では関節部痛と可動域制限、末梢神経障害では安静時にも持続するしびれ・灼熱痛がみられる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。