Behçet病は、口腔粘膜・皮膚・眼・外陰部の4主徴を繰り返す原因不明の全身性炎症性疾患である。HLA-B51との関連が強く、眼病変(ぶどう膜炎)による失明や、血管・神経・腸管病変(特殊型)の合併が臨床上極めて重要である。
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主症状(4主徴):口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、皮膚症状(結節性紅斑、毛嚢炎様皮疹、血栓性静脈炎)、眼症状(再発性ぶどう膜炎:前房蓄膿、網膜滲出斑)、外陰部潰瘍。
副症状:関節炎(非変形性)、消化器病変(回盲部潰瘍)、血管病変(動脈瘤、静脈血栓)、神経病変(髄膜脳炎、精神症状)、副睾丸炎。
初期評価
再発する口腔内アフタと、他の主症状(眼、皮膚、外陰部)の組み合わせから疑う。
検査
特異的な血液マーカーはないが、HLA-B51の陽性率が高い(約50%)。炎症反応(CRP上昇、白血球増多)や補体価の上昇。皮膚の『針反応(pathergy test)陽性』を確認する。特殊型を疑う場合は内視鏡(回盲部)、造影CT(血管)、MRI(脳)等を行う。
治療方針
症状と臓器病変に応じた対症療法・免疫抑制療法を行う。口腔内アフタにはステロイド軟膏。結節性紅斑や関節炎には『コルヒチン(好中球の働きを抑える)』。
重症の眼病変(後眼部病変)や特殊型(腸管、神経、血管)に対しては、『副腎皮質ステロイドの全身投与(高用量)』や『免疫抑制薬(シクロスポリンなど)』に加え、近年は『抗TNF-α抗体(インフリキシマブやアダリムマブ)』が極めて有効な第一選択薬として使用され、失明率や予後を劇的に改善している。
病態
免疫異常(好中球の過剰な走化性・活性化など)により、全身のさまざまな大きさの血管に血管炎が生じる。シルクロード沿いの地域に多く、日本では北海道・東北地方に多い(HLA-B51陽性率と相関)。
試験・臨床での重要ポイント
『4主徴(①口腔内アフタ性潰瘍、②皮膚症状[結節性紅斑、毛嚢炎様皮疹など]、③眼症状[ぶどう膜炎]、④外陰部潰瘍)』が絶対暗記キーワード。特に口腔内アフタはほぼ必発の初発症状である。
眼病変(ぶどう膜炎)は「前眼部」と「後眼部(網膜絡膜炎)」があり、後眼部の発作を繰り返すと不可逆的な視力低下(失明)をきたす。また、針を刺した部位が赤く腫れる『針反応陽性(好中球の過活動を示す)』も頻出。
生命予後を左右する「特殊型」として、『腸管型(回盲部の深い潰瘍・穿孔)』『血管型(動脈瘤・深部静脈血栓症)』『神経型(髄膜脳炎・片麻痺・精神症状)』があり、これらは難治性である。
覚え方・コツ
「ベーチェットは『口・目・皮膚・シモ(外陰部)』の4点セット!口内炎(アフタ)から始まり、目がやられると失明する。針を刺すと真っ赤に腫れる(針反応)。腸に大穴を開けたり(腸管型)、血管にコブを作ったり(血管型)、脳を侵す(神経型)特殊型は命に関わる!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。