メッケル憩室は、胚生期の卵黄管が退化せずに残存した真性憩室(全層性)であり、回盲部から約数10cm(約2フィート)口側の回腸に存在する。異位性胃粘膜を伴う場合、無痛性の下血(血便)の原因となり、小児の下血症例では重要疾患である。
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無痛性の下血(新鮮血〜暗赤色、ジャム状便)。
憩室炎:右下腹部痛(急性虫垂炎と酷似するため、手術中に虫垂が正常ならメッケルを疑って回腸を確認するのが鉄則)。
腸閉塞:憩室を軸とした腸捻転や、腸重積症の原因となる。
シンチグラフィ(第一選択):『99mTc-ペルテクネテートシンチグラフィ』。異位性胃粘膜への集積を確認。
画像診断:腹部CT(憩室炎や腸閉塞の合併時)、小腸内視鏡、カプセル内視鏡。
血管造影:出血が激しい場合に、栄養血管(回盲動脈枝)を確認するために行うことがある。
有症状(出血、炎症、閉塞)の場合:『外科的切除』。憩室切除術、または憩室を含む回腸部分切除術を行う。
無症状で偶然発見された場合:切除するか否かは議論があるが、若年者では将来のリスクを考慮して切除することが多い。
病態
卵黄管(腸管と卵黄嚢を繋ぐ管)の閉鎖不全により、回腸壁から突出する。全層が突出する『真性憩室』であり、しばしば『異位性胃粘膜』や異位性膵組織を含む。胃粘膜から分泌される胃酸が周囲の回腸粘膜を攻撃し、潰瘍・出血を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
有名な『2の法則(Rule of 2s)』が超頻出キーワード。
①人口の『2』%、②回盲弁から約『2』フィート(約60cm)近位、③長さ約『2』インチ、④『2』種類の異位性組織(胃・膵)、⑤『2』歳までの発症が多い、⑥男女比は約『2』:1。
診断の決定打は『99mTc-ペルテクネテートシンチグラフィ(メッケルシンチ)』。胃粘膜に集積する特性を利用して、憩室内の異位性胃粘膜を同定する。
覚え方・コツ
「メッケルは『回腸にある2づくしの袋』!子供が痛がらないのに赤い血の便を出したら真っ先に疑え。胃の粘膜が勝手に出張(異位性)して、酸で周りの腸を溶かして出血させる。診断は『メッケルシンチ』一択!手術で袋を切り取る(憩室切除)か、回腸ごと切除して治す!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。