覚醒や認知・反応の変化を、呼吸循環と血糖を含む全身評価から考える。JCS・GCSの点数と反応の内訳、発症時刻を記録し、意識評価だけで原因を確定しない。
身体徴候
意識の障害は、覚醒を維持する脳幹・視床などの系と、大脳の広い機能への影響を含めて考える。構造的な脳病変に加えて、低血糖、低酸素、循環不全、電解質・代謝、感染、薬物などでも生じる。
「眠そう」「話が通じない」「いつもと違う」という表現には、覚醒の低下、注意・認知の変化、失語など異なる問題が含まれる。本人の反応と普段の状態の差を具体化することが評価の出発点となる。
安全を確保して助けを呼び、気道、呼吸、循環を評価する。呼吸や循環に問題があれば、詳細な問診より対応を優先する。血糖、酸素化、体温、血圧などを確認し、瞳孔、眼位、麻痺、痙攣、外傷等も調べる。
発見時刻、発症が分かる場合の時刻、最後に普段どおりだった時刻、服薬、糖尿病、飲酒・曝露などを本人や周囲から聞く。必要な初期対応を原因確定まで待たせない。
JCSは刺激への覚醒の仕方など、GCSは開眼E・言語V・運動Mを分けて記録する。GCSは通常合計3~15点だが、合計だけでなくE・V・Mの内訳と変化を残す。挿管、失語、聴覚、鎮静など評価を妨げる条件も明記し、評価不能を機械的に最低点へ置き換えない。
情報 | 考える方向 | 決めつけを避ける点 |
|---|---|---|
麻痺・眼位・言語の変化 | 脳血管などの構造的病態 | 麻痺がない脳病変もある |
血糖・電解質・酸素化の異常 | 代謝・全身性の病態 | 異常が一つ見つかっても併存を考える |
痙攣後・反応の持続的低下 | 発作後や持続する発作など | 回復しない状態を放置しない |
注意の変動、普段と違う言動 | せん妄なども検討 | 意識が開いているから正常とはしない |
失神は一過性の意識消失として考えるが、回復したことだけで原因が安全とは言えない。精神的な要因や機能性の症状を、脳幹反射が保たれることだけから確定しない。
新しく起きた意識の異常、反応の急な低下、呼吸の異常、低血圧、痙攣、局在する神経症状、強い頭痛、外傷や中毒の可能性などでは、直ちに救急評価へつなぐ。
反応が悪い人に飲食物や内服薬を無理に口から与えない。家庭では反応や呼吸の異常があれば救急要請し、施設では役割と手順に沿って呼吸循環への対応と原因評価を進める。
意識の程度を測ることと、原因を診断することは別である。ABC、血糖など速やかに対応し得る原因、神経所見、時間経過を一緒に評価する。
報告は時刻、E・V・M等の反応、普段との差、バイタル、血糖、処置とその後の変化を含める。「意識あり・なし」の二択では、悪化や改善の程度を伝えられない。
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