姿勢時振戦は、上肢を前方へ伸ばすなど、重力に抗して一定姿勢を保持した際に出現または増強する振戦である。本態性振戦、生理的振戦の増強、薬剤性、甲状腺機能亢進症などでみられる。
身体徴候
姿勢保持中には筋紡錘を含む反射回路と中枢運動制御系が絶えず筋張力を調整している。この系の生理的振動が交感神経亢進、疲労、低血糖、甲状腺ホルモン過剰、薬剤などで増幅されると、細かい高周波の振戦として観察される。本態性振戦では小脳・視床・大脳皮質を含む振戦回路の異常が関与し、姿勢保持や随意運動で振戦が目立つ。
患者に両上肢を前方へ伸ばし、手掌を下向きにして指を開いて保持させる。紙を手背へ置く、指先同士を近づける、コップを保持させることで微細な振戦を観察しやすくする。左右差、振幅、周波数、頭部・声の振戦、緊張や暗算での変化を確認する。書字、渦巻き描画、食事動作も評価し、カフェイン、β刺激薬、バルプロ酸、リチウム、甲状腺症状、低血糖症状を確認する。
本態性振戦は両側上肢の姿勢時・動作時振戦が中心で、頭部・声にも出現し、少量飲酒で軽減することがある。増強生理的振戦は細かく高周波で、緊張、疲労、甲状腺機能亢進症、薬剤に関連する。Parkinson病の再出現振戦は上肢伸展後に潜時を置いて出現する。企図振戦は目標接近時に増強する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。