最終更新日: 2026年8月6日
企図振戦は、目標へ向かう随意運動中に出現し、目標へ近づくほど振幅が増大する振戦である。小脳半球または小脳の入出力経路の障害を示唆する。
身体徴候
小脳は運動指令と実際の運動結果を比較し、誤差をリアルタイムに修正する。小脳半球、歯状核、上小脳脚、小脳視床路が障害されると、運動終末での制動が不十分となり、目標を行き過ぎて修正を繰り返す。その結果、目標へ近づくほど振幅が大きくなる低周波の企図振戦が生じる。測定障害、運動分解、変換運動障害を伴うことが多い。
指鼻指試験で患者に自分の鼻と診察者の指を交互に触れさせ、診察者の指の位置を変えながら目標接近時の振戦を観察する。踵膝試験でも下肢の軌道の揺れを確認する。速度、左右差、目標超過、運動分解を記録する。眼振、断綴性構音、筋緊張低下、歩行失調、反復拮抗運動不能を併せて評価する。視覚補正の影響を見るため開眼・閉眼の差も確認する。
本態性振戦は姿勢保持と動作全般でみられるが、目標接近時に特異的に増大するとは限らない。感覚性失調では閉眼で悪化し、位置覚・振動覚低下を伴う。Parkinson病の安静時振戦は動作で軽減する。企図振戦は病変と同側の四肢に出現しやすい。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。