安静時振戦は、筋が随意的に活動していない安静状態で最も目立ち、動作を始めると軽減する振戦である。Parkinson病の代表的所見で、片側上肢から始まることが多い。
最終更新日: 2026年8月6日
安静時振戦は、筋が随意的に活動していない安静状態で最も目立ち、動作を始めると軽減する振戦である。Parkinson病の代表的所見で、片側上肢から始まることが多い。
身体徴候
Parkinson病では黒質緻密部のドパミン神経が変性し、線条体を介する基底核回路の活動バランスが崩れる。視床・大脳皮質・基底核間に異常な周期性活動が形成され、安静時に振戦が出現する。典型的には4から6Hz程度の比較的遅い振戦で、母指と示指が丸薬を丸めるように動く。随意運動開始により一時的に抑制されるが、精神的緊張や反対側の運動で増強することがある。
患者を椅子に座らせ、両手を膝や肘掛けに自然に置かせて十分に脱力させる。手指、手関節、下顎、下肢の振戦を観察し、左右差を確認する。反対側の手で反復運動や暗算を行わせると潜在的な安静時振戦が誘発されることがある。上肢を前方へ伸ばして姿勢時振戦への変化をみる。運動緩慢、固縮、姿勢反射障害、歩行時腕振り減少、すくみ足、嗅覚低下、便秘も併せて評価する。
本態性振戦は姿勢保持や動作で目立ち、一般に両側性である。薬剤性Parkinson症候群は左右対称性が多く、安静時振戦が乏しいことがある。小脳性企図振戦は目標に近づくほど増大する。振戦優位型Parkinson病では安静時振戦が目立つ一方、運動緩慢や固縮が軽い場合もある。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。