睡眠時無呼吸は、睡眠中に気流が反復して停止または著しく低下する所見である。上気道が閉塞する閉塞性、呼吸中枢からの駆動が消失する中枢性、両者が混在する混合性に分かれ、低酸素血症、睡眠分断、日中傾眠、心血管合併症を引き起こす。
身体徴候
閉塞性睡眠時無呼吸では、睡眠に伴う咽頭拡張筋活動低下、肥満による咽頭周囲脂肪、扁桃・アデノイド肥大、顎顔面形態などによって上気道が狭窄・閉塞する。胸腹部の呼吸努力は続くが気流が止まり、低酸素血症と高二酸化炭素血症が進むと覚醒反応が起こり、気道が再開通する。この反復で睡眠が分断される。中枢性では脳幹の呼吸駆動が一時的に消失し、気流と呼吸努力の両方が停止する。成人の睡眠検査では一般に10秒以上の気流停止を無呼吸として扱い、無呼吸・低呼吸指数や酸素低下、症状を組み合わせて重症度を評価する。小児では成人と異なる基準と病態が用いられる。
いびき、目撃された無呼吸、窒息感での覚醒、夜間頻尿、起床時頭痛、口腔乾燥、熟睡感欠如、日中傾眠、居眠り運転を本人と同居者から確認する。肥満、頸囲、扁桃肥大、鼻閉、下顎後退、高血圧、不整脈、心不全を評価する。STOP-Bangなどはスクリーニングに用いるが、診断には終夜睡眠ポリグラフまたは適切な対象での在宅睡眠時無呼吸検査を用いる。気流、胸腹部努力、SpO2、心電図、睡眠段階を記録し、閉塞性と中枢性を区別する。小児ではいびき、陥没呼吸、寝相、夜尿、学習・行動変化、成長障害も確認する。
単純いびきでは気道振動音はあるが、明らかな無呼吸、反復低酸素、日中機能障害を欠く。閉塞性無呼吸では無呼吸中も胸腹部努力が残り、中枢性では努力も消失する。不眠症では睡眠時間不足が中心で、目撃無呼吸を欠くことが多い。ナルコレプシーは強い日中傾眠を呈するが、情動脱力発作や入眠時幻覚が手がかりとなる。肥満低換気症候群では覚醒時にも高二酸化炭素血症を認める。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。