Cheyne–Stokes呼吸は、呼吸の深さが徐々に増大した後、徐々に減少し、無呼吸または低呼吸へ移行する周期性呼吸である。重症心不全、中枢神経障害、高地滞在、中央型睡眠時無呼吸などでみられ、循環遅延と呼吸調節系の不安定化が関与する。
身体徴候
呼吸中枢はPaCO2やPaO2の変化に応じて換気量を調節する。心拍出量低下や中枢神経障害で血液ガス変化が肺から化学受容器へ伝わるまでの時間が遅れ、換気応答が過大になると、PaCO2が無呼吸閾値を下回って中枢性無呼吸が起こる。無呼吸中にPaCO2が上昇し、閾値を超えると換気が再開するが、過剰換気によって再びPaCO2が低下する。このフィードバックの振動により、crescendo-decrescendo型の換気と無呼吸が周期的に反復する。心不全では循環時間延長、肺うっ血による過換気傾向も関与する。
少なくとも数分間、呼吸数だけでなく一回換気量の増減と無呼吸の周期を観察する。胸腹部努力と気流を確認し、閉塞性無呼吸との区別を行う。意識状態、心不全症状、脳卒中歴、高地滞在、睡眠中のいびき・覚醒を確認する。SpO2、心拍の周期変動を記録し、必要に応じて睡眠ポリグラフ、血液ガス、心エコー、脳画像を行う。終末期患者では治療目標と苦痛の有無を考慮する。
Biot呼吸は深さ・間隔が不規則で、crescendo-decrescendoの規則的変化を欠く。閉塞性睡眠時無呼吸では無呼吸中も胸腹部の呼吸努力が持続するが、Cheyne–Stokes呼吸の中枢性無呼吸では努力自体が消失する。Kussmaul呼吸は深く規則的で無呼吸を挟まない。死戦期呼吸は不規則な喘ぎで周期性が乏しく、心停止として扱う。
覚醒中に新規出現した周期性呼吸に意識障害、片麻痺、頭痛を伴う場合は脳卒中や頭蓋内病変を評価する。心不全患者で呼吸困難、低酸素血症、低血圧、肺うっ血を伴う場合は急性増悪として対応する。無呼吸が長く、著明な酸素飽和度低下、徐脈、不整脈を伴う場合は監視と原因治療が必要である。
Cheyne–Stokes呼吸は漸増・漸減する呼吸と中枢性無呼吸の反復である。重症心不全、脳卒中、中枢神経障害、高地でみられる。心不全では循環時間延長と呼吸調節の不安定性が関与する。Biot呼吸との違いは規則的なcrescendo-decrescendoパターンである。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。