最終更新日: 2026年7月18日
非圧痕性浮腫は、腫脹部を圧迫しても明らかな陥凹が残りにくい浮腫である。リンパ浮腫、粘液水腫、進行した慢性浮腫などでみられる。
身体徴候
リンパ流障害では蛋白に富む間質液が貯留し、慢性化すると炎症、脂肪沈着、線維化が進んで圧迫しても液体が移動しにくくなる。甲状腺機能低下症の粘液水腫ではムコ多糖が皮下に蓄積して水分を保持し、非圧痕性腫脹を形成する。
腫脹部を圧迫して圧痕の有無を確認し、左右差、皮膚の硬さ、肥厚、角化、感染痕、手術・放射線治療歴を聴取する。足趾基部の皮膚をつまめないStemmer徴候、周径、体積、可動域を評価する。甲状腺機能低下症状、前脛骨部病変、リンパ節郭清歴、悪性腫瘍も確認する。
リンパ浮腫は片側性が多く、皮膚肥厚とStemmer徴候陽性を伴う。甲状腺機能低下症の粘液水腫は全身性で、寒がり、徐脈、便秘を伴う。Basedow病の前脛骨粘液水腫は前脛骨部に限局する。初期リンパ浮腫では圧痕を残すこともある。
急速に進行する片側性非圧痕性浮腫、疼痛、発赤、発熱を伴う場合は蜂窩織炎、深部静脈血栓症、腫瘍によるリンパ路閉塞を考える。顔面・舌・咽頭の非圧痕性腫脹と呼吸困難は血管性浮腫として緊急対応する。
非圧痕性浮腫ではリンパ浮腫と粘液水腫を考える。Stemmer徴候はリンパ浮腫の評価に用いるが、陰性でも否定できない。甲状腺機能低下症では全身性粘液水腫、Basedow病では前脛骨粘液水腫がみられる。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。